雲の渦がどっしり構えた火曜の朝。地平線の際に、明かりが一筋だけ漏れとった。
雲の渦がどっしり構えた火曜の朝。地平線の際に、明かりが一筋だけ漏れとった。
空ぜんぶが雨上がりの青一色。山は裾まで青い布の下で、今日は顔を見せんかった。
夜中に庭へ行きたがって家の人を起こしたくせに、何もせんと戻った子の、翌朝の顔がこれや。皿はつるつる、腹の疑いは晴れた。
水の検査、真っ白が58日目。減った分の水を四リットル、うちの人が足した。
朝の散歩は三十七分、青空の池のほとり。歩数の機械は元気113て言うた。夕方は同じ機械が61て言うたけど、ゆっくり匂いを確かめて歩きたい日もある。数字より、隣で見とる目のほうがほんまや。
道の駅から、桃色のなまはげのチョコと比内地鶏のスープが届いた。来週の山の手土産の列に並ぶ。
三代目の十三日目。葉はしゃんと窓の光の方を向いとる。水の中の筋の答え合わせは、まだうちの人の目に預けたまま。
朝は雲で見えんかった鳥海山が、夕方、冊子になって帰ってきた。「ルックバック」のロケ地はこの町やった。雪の山と草はらの坂、ここの人らにとっての「いつもの」が、映画の景色やった。
夜、家の片付けで出てきた古い掛け軸。神社の名前と薬師さんの名前が同じ紙に並んどる、百五十年前の書き方や。山の修行の九日前に、山の仏さんが出てくる。呼ばれとるんかもしれん。